医療用ウィッグが高いのは需要が少ないからなのか?
一般的に需要が多いものに比べて少ないものは値段が高いのが普通です。なぜなら大量生産ができないため1個当たりの単価を下げることができないからです。
つまり物はたくさん作るほど値段は安くなるのです。医療用ウィッグはその名のごとく医療のために使われるウィッグです。具体的にいえばガンの抗がん剤治療などで髪の毛に脱毛が起きた人が、そのケアのために使うものです。
オシャレやファッション用に使われる普通のウィッグに比べると需要はうんと少なくなるのは明らかです。なぜなら抗がん剤治療を受ける人がそれほど多くいるとは思えないからです。
とは言え、がん患者は、このところ増加傾向にありますから以前より需要が増えたのは事実です。したがって僅かですが需要は上昇傾向にあります。いま乳がんにかかる女性は5万人以上います。したがって女性に限っていえば、この5万が需要が予想できる数と言えます。
これにその他のがん患者や男性による需要を加えますとかなりの数字になりますから、これだと極端に需要が少ないとは言えませんから、価格が高い原因は需要の数だけではないとも考えられます。
値段が高いのは多品種少量生産だったからなのか?
前述しましたようにものはたくさん作るほど単価が下がります。とはいえ品種が多ければそうでもありません。それを実現するには少品種大量生産がいちばん効果的です。
これに目をつけたウィッグメーカーがあります。ウィッグメーカーはたくさんありますが、ほとんどのところは普通のウィッグのメーカーです。したがってたとえ医療用ウィッグを作っていても、多くのウィッグの種類の中の一ジャンルでしかありません。
これでは多品種を作ることになりますから価格は下がりません。そこであるメーカーが医療用ウィッグに特化して製造を始めたのです。こうすることにより品種を一点に絞ることができますから、当然生産コストは安くなります。
そうして高いと言われていた医療用ウィッグの値段を普通のウィッグに近づけたのです。具体的に言いますと、従来は30万円ぐらいした中級品の医療用ウィッグを今では10万円以下の値段を実現したのです。
値段が下がった理由は他にもあります。それは通信販売に積極的に取り組んだからです。
通販には店舗や販売のために人員がいりません。そのため販売の経費を大幅に節減できます。それで浮かせた費用を価格に転嫁することによって値段を大幅に下げることができたのです。