コストカットが十分ではない医療用ウィッグの弊害

医療用ウィッグは高くても当たり前だと決めつけていたり、そう思い込んでいたりする女性が意外にも多いです。ネットで「医療用ウィッグ」と検索してみると、いろいろなメーカーのサイトに行き当たるけれど、価格はうのみにしないでください。

コストカットが十分でないまま、利用者に価格転嫁しているウィッグメーカーが多いからです。たとえば店舗の維持費や人件費、原材料費などをカットせずにいるメーカーでは、人員の給料が上がる度にウィッグの値段を上げる~。

原材料費が上がったり運送費用が上がったりする度に、そのコストを販売価格に上乗せするという実態があります。仕方のない一面もありますが、ウィッグの利用者としては、メーカーの経営体質に敏感であるべきです。

購入前に行ないたい、3つの側面からのアプローチ

闘病生活に入って医療用ウィッグが必須の状態に追い込まれた人は、会社を休職したり、職を失ったりで貯金を切り崩して購入費用にあてる人も大勢います。そこで購入を決める前に以下の3点について、アプローチしてみましょう。

アプローチ1 通販に目を向ける

医療用ウィッグの価格は高いものでは30万円以上、安いものでは1万円を切るものもあります。やみくもに買ってしまうのではなく、そんなときは通販の医療用ウィッグに目を向けてみましょう。

  • 通販はコストパフォーマンスにすぐれているので、対面販売のウィッグと同等のウィッグでも3分の1とか2分の1の価格で売っている。
  • ネット検索で店舗販売の製品が30万円であるなら、10万円程度で同じ高級品を手にできる可能性が高い。

アプローチ2 購入助成金を受ける

  • 最近では高額な医療用ウィッグの出費を少しでもカバーしようと、各自治体で購入助成金制度をスタートさせている。
  • 実施している自治体は少なく、制度があったとしても助成される金額は1万円~3万円程度と少額だけれど、利用はすべきである。

アプローチ3 後悔しないで済む品選びをする

  • 医療用ウィッグとファッション用は分けて考えるべき。ズレやムレ防止、アジャスターなど機能優先で選び、1年で使い捨てにする感覚が大事。
  • 試着可能期間の長さ、サービス対応・メンテナンス対応の良さがキモになる。自前で工房をもっているところは対応が早い。

医療用ウィッグは品質向上がいちだんとすすんで、髪のふんわり感やつむじの出来映えなど、医療用であっても見た目がすばらしいものも多い。そこでもう1つ、「兼業メーカーか専業メーカー」という選別ポイントもお伝えしたい。

ファッション用と医療用の両方のウィッグを売っている兼業メーカーの大半は、もともとファッション用メーカーを自負してきたため、肝心の機能性が疎かになっている製品が多いので要注意。

「見た目が良くて価格もそれなりにしたが、有名なブランドだから買った」という女性は、多くが期待を裏切られています。リハビリに必要なウィッグの機能性が付け足し程度で、役に立たなかったというのが言い分です。気をつけましょう。