抗がん剤治療に立ち向かうなら20万円でも安い?
初めて医療用ウィッグを買うという人は、何の知識もないので、「ソコソコの値段でないとすぐにダメになるだろう」と考えてしまいがちである。
知識や経験のある相談相手がいなければ、そう考えても仕方がない。では、ソコソコの値段とはいくらでしょうか。困ってしまうのは、ウィッグの価格の相場さえ知らないのにそう思ってしまうことである。
ネットを調べると高い医療用ウィッグでは30万円以上する。50万円などというのもあるから、初心者からすれば「ソコソコ=20万円程度だろう」と考えてしまう。
周囲からは「これから抗がん剤治療に立ち向かうのだから、それで回復の力になるのなら安いものだ」という応援も後押しする。
ところがそうやって購入したウィッグも、数ヶ月経つと髪の毛がパラパラになって、どうにも収拾がつかなくなるような製品もある。原因はウィッグの人毛と人工毛の割合が不適格であったり、出荷時にはまとまっていたコーティング剤の力がなくなってしまったりした結果だ。
病院内は、寝間着姿でも寒くないように温度設定が高め。加湿が十分でない医療機関も多い。そうした環境下では、高価な医療用ウィッグでも質が悪ければ関係ない。
専業メーカーとして闘病支援のためのシステムで応援
医療用ウィッグの価格の話に戻るが、半年~1年が平均とされる抗がん剤治療の期間だけ必要なのに、20万円もするウィッグは必要ない。
10万円でも高すぎるというのが、知る人ぞ知る医療用ウィッグの実際である。たとえば通販で有名な専業メーカーの「アンベリール・シルフィ」の場合、自社製品で中間クラスのグレードでも48,000円を切る価格設定で、“デパートで買えば18万円相当の品質”とうたっている。
しかも「2つのモデルを同時に購入すれば最大で50%OFFになる」という特典付だ。スタイル違いを2つ購入できるのは、衛生面や気分転換にも都合が良い。48,000円で2つだから、1つ24,000円という計算になる。
価格だけではなく同社がすごいのは、自宅での無料試着で、好きなだけ試してもらえるようなシステムになっていて、購入までに催促がないこと。体調の良い日、着け心地と品質・機能をとことん試して欲しいという患者目線で、外出も運動やリハビリに着用していくこともOKになっている。
アレンジも無料、ヘアスタイリストが写真などのリクエストに応えて再現してくれる。値段ではなく本質をみるべきだ。
初心者のために、重複しても言っておきたいこと
- 医療用ウィッグやウィッグと呼ばれるものは、価格で選んではいけない。
- 高額ブランド・高級=高品質でも高機能でもない。見た目の良さに力を入れているところが多く、医療用ウィッグの専業メーカーではなかったりする。
- ソコソコの価格とは8万円程度。紹介したアンベリールのシルフィのように、2つを購入して入院時用に備えるのが良い。
- 医療用ウィッグは、高品質・高機能を安く買って長持ちさせるのが賢い。その意味ではメンテナンス力のある専業メーカーが最良。
- 使い捨てにしても惜しくはないと思える値段を基本に、もう一度考え直してみるべき。