18万6,000円はリーズナブルなお手ごろ価格なのか
渋谷にあるリアル店舗を友人に紹介されて、体調のいい気候のいい日を待ってわざわざ出かけて行った。すると店員は「新しいモデルの医療用ウィッグです」と言って、18万6,000円のウィッグを出してきた。
この店員の説明によると、「これまでにない新しいコンセプトで、どなたにでもお求めになりやすいリーズナブルな価格設定になっている」のだそうだ。リーズナブルというのは手ごろな価格というように理解していたが、私にはとても手の届く価格ではなかった。
説明を聞きながら、「それなら、いま私が使っている8万数千円のシルフィのウィッグは何よ。リーズナブルより下の安物ということなの?」と少し腹が立った。鼻にかけたように自慢げに話す店員の顔を見ながら、私はその時点で話を聞く気がなくなっていた。
そもそも新しいコンセプトと言いながら話の大半は価格のことで、これまでの自社製は30万円台の高級品をハイエンドとしていたなど、客にとってはどうでもいい言葉が多かった。
私が知りたいのは、新しいコンセプトというなら、機能性がいいとか衛生面がいいとか、ウィッグの中にたまる汗を吸収してくれる、劣化しにくい素材など、そういう製品の改革面を聞きたかった。そういう具体的で画期的な説明はなかった。
この店を紹介してくれた友人は、どこに感激しておススメしてくれたのだろう?
傷みやすい医療用のウィッグは“8万円”で衛生的に使う
リーズナブルという意味には、手ごろな価格という以外に、転じて「お求めやすい、購入しやすい」というニュアンスを残す。
通常30万円を高級品としているお店にとって18万円はかなりのプライスダウンだが、私のような貧乏人(笑い)にはそれでも超高級品としてしか受け取れない。
私は医療用ウィッグに限って言えば、高級志向ではなく、真ん中の価格かそれより安い値段の製品を選ぶ。その理由は以下の通り。
なぜ私が高級品を買わないか
- 医療用ウィッグは実際に使ってみると、かなり手荒な扱いになって劣化も早い。
- 汗がこもるので陰干ししても悪臭が取れない。
- 強力な抗菌・脱臭剤の入ったウィッグを作って欲しいと思っているほど。いずれにしても何年もの長期使用には耐えられない。
- 極端に言えば、使い捨て感覚か、レンタルで借りるほうが衛生的で合理的。
- 少々の手入れをした程度では、髪質の劣化は止められない。次回の抗がん剤治療に使うための収納の仕方に神経を使う。
そんなウィッグに30万円も18万円もかけるなら、私は8万円クラスの製品を2つ購入して、衛生的に交互に使う。
いろいろな考え方がありますが、医療用のウィッグは8万円程度が中間価格帯。18万円は勿体ないと考えています。