安いモノを高く買わされているという今時の事実
私の友人には、極端な考え方をする2通りの人間がいる。1人は、「だってそうでしょ?ダイヤの指輪だったら50万円したって買うじゃないの、値段が安いか高いかなんて、その人の価値で決まるのよ」という友人。
もう1人は、「このブラウスの原価は販売価格の10分の1だから2割値切ったって儲かっている。だからセールをやっても赤字になんかならない」という、値切りが趣味のようになっている女性。
どちらも本質をついていて面白い。だけれどもどちらにも属さない私は、割り切れずにいつも試行錯誤しながら、庶民的な店で庶民的な買い物をしてしまう。
あるとき違う友人から、「その医療用ウィッグ、ネットで買ったって言うけど、2万円台のウィッグなんて大丈夫なの?」と心配された。私は闘病中だけではなく、もともと体が弱いので頻繁に外出できない。
ネットショッピングが中心で、だいたいのものは通販で済ませるしかない。だから世の中の物価にはうといけれど、ネットショッピングの進化、コストパフォーマンスの優秀性には詳しい。
たとえばネットで2万円台の医療用ウィッグなら、市販で買えば6万円台は軽くする。ブランドという冠をかぶせれば8万円台の価格でも平気で売り出している。
ネット上の商品はただの価格競争で安いのではない
ネットのコスパは周知の事実になりつつあるけれど、6万円台、8万円台の品質・機能はある医療用ウィッグを2万円台で買ったのに、「大丈夫なの?」と言われると侮蔑されたようで腹が立つ。
逆に2万円台で済むモノを6万円も8万円も出して買っているその友人こそ時代遅れだと言ってやりたい。10分の1の原価計算をする、先に紹介した友人の考え方ではないけれど、通販には店舗の維持費や人件費がかからない。
しかも、人材教育とか会社の接待費なども不要だから、ザックリ3分の1は、路面店の相場から価格を差し引いても利益が出る。その分をネットユーザーに価格還元しているのだから、粗悪品だとか安物と言われる筋合いのものではない。
通販価格を勘違いしている方に言っておきたいこと
- 医療用ウィッグの通販サイトでも良く紹介されているけれど、通販の製品が安いのは、コストパフォーマンスを徹底し、価格還元しているからである。
- 通販は口コミがあるので、粗悪品を提供すれば1カ月のうちにつぶれてしまう。その意味で、ネット上で長く商売しているサイトは優良店と判断できる。
- ネット時代は工場と工場の垣根、流通の障害もなくなるので提携がしやすくなる。それがまた効率を生み出し安さにつながる。単なる価格競争はしていない。
ただしネットを悪用する悪徳業者や、安値で大量販売して、そのまま店じまいしてしまう詐欺的ショップもないわけではない。操業年数やリピート率、口コミなどを探れば判別がつけられる。